講評
富士山裾野に広がる樹林帯の冠雪を、小高い山の上から粘り強く狙った一枚ではないでしょうか。雲一つない青空の下、どっしりと構える富士山。おそらく日の出付近の時間帯から、何枚も撮影した内の一枚の作品だと思います。シンとした静けさの中に、春待ち遠しい寒さも伝わってくる感じがします。宝永山火口の斜面、宝永山山頂付近の積雪の少なさや、太陽がまだ低い位置にあるため、画面全体に影を作ることによって、より立体感が表現されています。
講評
世界文化遺産に登録されている富士山の構成資産の一つ「白糸の滝」のライトアップを、スローシャッターで撮影することにより、より幻想的な表現で仕上げています。滝の流れは、シャッター速度が遅いため水流が糸を引いたように美しく撮影できています。風が強いと木立の木々が流れてしまいますが、この日は風がほとんどなく、撮影条件が良かったですね。手前のカラフルな紅葉と、奥にそびえたつ日暮れ間近に迫る青い富士山の露出も対照的でちょうどいいと思います。
講評
水面を意識し、鏡に映ったかのような景色に仕上げました。風のない日で、公園内に咲く桜もほぼ満開状態で色を添えています。大きな池では波がなかなか治まらず、鏡のような水面を撮影するのは難しいと思います。この場所の池では周りを木立で覆われているせいか、水面が安定しているように見えます。上下対称的な写真は安定感をもたらします。空に広がる様々な形の雲はこの作品に動きを与えていると思います。雲一つない真っ青な空とはひと味違う、躍動的な作品に仕上がっています。
講評
この日はほぼ満月だったと思いますが、月明かりで立体的な陰影をつけて浮かび上がる富士山と、その麓で打ち上げられた美しい花火を見事に捉えました。夜空の星の流れ具合、飛行機の光跡、富士山山肌の露出などに加え、花火の露出まで総合的に計算された作品ではないでしょうか。また、花火の左側に見えるライトはレジャーランドのものでしょうか?この写真の構成上効果的なポイントになっていると思います。
講評
富士山ビュースポットの一つ岩本山で、桜が満開となった頃を見計らって撮影されています。画像中央、三角に空いた部分に富士山を配置し、周りを桜で埋め尽くしました。タイトル通りに春の花に包み込まれた作品に仕上げました。タイミング的には薄日の指す日となりましたが、かえってコントラストが強すぎず淡い感じが出たと思います。
講評
雲海の向こうに富士山が撮影できる静岡市清水区のスポットで、目先を変え季節の花アジサイを画面の半分を占めるまで入れ込みました。梅雨時を象徴する作品ではないでしょうか。この場所に行けば撮れる写真ではなく、気象条件が合わなければこのような雲海の撮影はできない写真であり、何回も足を運んだことと思います。アジサイの花に朝日が反逆光で射し込み、立体感を出しています。
講評
荒波の押し寄せる海岸と富士山は、葛飾北斎の富岳三十六景神奈川沖浪裏に代表されると思います。現代版の北斎を狙って波と富士山を撮影した際、虹も撮影できました。虹は太陽の位置と水滴が関係して現れます。条件が重なってうまく撮れました。富士山には、馬のたてがみのような雲が見られ、風が強いことをうかがわせています。海では波も高くなり、機材はもちろんのこと撮影者自身も十分に注意したうえで撮ることができる、技術を要する作品だと思います。
講評
日々大切に維持管理された庭園のツツジと、七合目付近まで雪に覆われた富士山とのコラボレーション。見ごろを迎えたツツジが色鮮やかに輝いています。 富士山は気象条件に左右され、いつでも見られるとは限りません。宝永山左下から雲がわき始めてきているようです。いいタイミングで撮影できたのではないでしょうか。
講評
初夏、田植えの終わった田んぼで風が無いせいか鏡のように輝いているところを見事に捉えました。明るい太陽と全体の露出のバランスがちょうどいいと思います。太陽の光の筋を光条というそうですが(レンズの絞りの羽の形で出方が変わる)、いい感じに表現できていると思います。中央を左右に立ち並ぶ木々は、この作品に異国情緒を醸し出し、一つのアクセントになっているように思います。
講評
萌黄色した新芽が芽吹き、茶園には朝日が差し込み絶妙のタイミングで撮影できたのではないでしょうか。ここ清水区吉原は霧がかかるところでも有名ですが、今回は周囲の景色がよくわかる作品になりました。空をオレンジ色に染め、太陽からは光条が差し込み、朝の雰囲気がしっかりと伝わってきます。空に浮かぶ雲は、時間の経過とともに富士山方向へ移動すると思われますが、タイトルの通り「目覚」を表現する最適なタイミングで撮影できています。
講評
初夏の青い富士山と赤いバラの競演を撮影されました。中央左のこんもりしたバラの山を富士山に見立てたのでしょうか。その裾野に広がる花畑には紫、黄色、赤などのバラが咲き誇っているようです。薄日が差しているような光の当たり具合ですが、富士山も少し霞んでいるような感じで、かえってコントラストが強くなり過ぎず全体が落ち着いているように感じられます。
主催/静岡中央銀行 協力/静岡新聞社・静岡放送